日本語の組版:字下げ・両端揃え・句読点・全角と半角
日本語の文書には、段落の字下げ、両端揃え、句読点やかっこの使い方、全角と半角の使い分けなど、読みやすく整えるための決まりがあります。レポートで気をつけたい日本語の組版の基本を紹介します。
組版とは、文字を紙面に並べて、読みやすい形に整えることです。日本語の文書には、読みやすさのために積み重ねられてきた決まりがあります。ワープロが自動でしてくれることも多いのですが、手で入力した空白や改行が、その働きを邪魔することもあります。
ここで紹介するのは、指定がないときの基本です。授業や学科の書式の指定があれば、それに従ってください。
段落:字下げで区切り、空行は入れない
- 段落の最初は、1字下げる:日本語の文書では、段落の始まりを1字分の字下げで示すのが基本です
- 段落の途中で改行しない:行の終わりは、ワープロが自動で折り返します。途中で改行すると、そこで段落が切れたことになります
- 段落と段落のあいだに空行を入れない:段落の区切りは字下げで示します。空行は、節の区切りなど、大きな区切りにとっておきます
字下げは、全角の空白を一つ入れるか、Word の段落の設定で「最初の行」を「字下げ」1字にします。どちらかにそろえましょう。
段落を意味のまとまりで区切ることは「パラグラフ・ライティング」で紹介しています。
本文は両端揃え
本文は、行の左端と右端の両方をそろえる両端揃えにします。日本語の本文では、行の右端がそろっているほうが整って見え、読みやすくなります。Word の日本語の文書では、両端揃えがはじめから選ばれていることが多いので、変えていないかを確かめましょう。
題名や見出しは、中央揃えや左揃えにすることもあります。
句読点
- 横書きの文書の句読点は、「、」と「。」、または「,」と「.」のどちらかを使います
- 理系の分野や、一部の学会の書式では「,」「.」を使うことがあります
- 一つの文書の中で、混ぜないことが大切です
句読点の種類は、書き始める前に決めておきましょう。あとから変えるときは、置き換えの機能で一度に変えられますが、数字の小数点(3.14)まで変えないように注意します。
全角と半角
| 種類 | 使い分けの目安 |
|---|---|
| 英字・数字 | 半角(ABC、2026、3.14) |
| 日本語の文の中のかっこ | 全角(「」『』()) |
| 英語の文や、英語の文献の情報の中の記号 | 半角(英語の文献の出典のかっこ (Jenkins & Dallenbach, 1924) も、書式によっては半角) |
| 空白 | 段落の字下げは全角1字。英単語のあいだは半角 |
英数字を、全角と半角で混ぜないことが大切です。横書きの文書では、英数字は半角にそろえるのが一般的です。統計の記号や数式も半角で書きます(「結果の書き方」)。
日本語と英数字のあいだ
日本語と英数字のあいだに、半角の空白を入れるかどうかは、書式によって違います。Word には、日本語と英数字のあいだを自動で少し空ける設定があります。手で空白を入れる場合も、入れない場合も、文書の中でそろえましょう。
数字と単位のあいだ(10 cm か 10cm か)も、書式によって違います。
かっこと記号
| 記号 | 主な使い方 |
|---|---|
| 「」 | 会話や引用、語句を取り立てて示す |
| 『』 | 本や雑誌の題名、「」の中でさらに引用するとき |
| () | 補足、出典(山田, 2020) |
| …… | 省略や余韻。三点リーダーを二つ続けて使う |
「」の中の最後の句点(「〜である。」)を付けるかどうかは、書式によって違います。文書の中でそろえます。
改行と禁則処理
行の始めに「。」「、」や閉じかっこが来ないようにすることを、禁則処理と言います。ワープロは自動で禁則処理をしますが、行の途中で改行や空白を入れて見た目を調整すると、うまく働かなくなります。
- 見た目を整えるために、行の途中で改行や空白を入れない
- 表やページの区切りを調整するときは、改ページの機能を使う
書体と行間
- 本文は明朝体、見出しはゴシック体にするのが、日本語の文書の基本的な組み合わせです
- 本文の中で、強調のために書体や色を何度も変えない。強調したいことは、文の組み立てで伝えます
- 行間は、詰めすぎず、広げすぎず。ページの設定で決めた字数と行数に任せます(「ページの設定」)
見出し
- 見出しには番号を付けると、構成がわかりやすくなります(1. 2. 3.、1.1 1.2 など)
- 番号の付け方、書体、大きさを、すべての見出しでそろえる
- 見出しだけがページの最後の行に残らないようにする
縦書きのとき
人文系の一部の授業や、卒業論文では、縦書きを指定されることがあります。縦書きでは、横書きと決まりがいくつか違います。
- 数字は漢数字が基本:「二〇二六年」「三つ」のように書く。ページは「一二三頁」など
- 句読点は「、」「。」:「,」「.」は使いません
- 英字や算用数字が混ざるとき:短い英字の略語や二桁の数字は、横に並べて一字分に収める(縦中横)ことがある。長い英語の名前や書名は、カタカナで書くか、横向きのまま入れる。半角の英数字やかっこは横に倒れて表示されるので、縦書きでは全角で入力する
- かっこや記号:縦書き用の形になる(ワープロが自動で切り替えます)
- 注の番号:本文の右横に小さく付けることが多い
縦書きの書式は、学科や授業の指定に従ってください。Word では、ページの設定で文字の方向を「縦書き」にして書き始めます(「ページの設定」)。
確かめること
- 段落の最初が1字下げになっている
- 段落の途中で改行していない。段落のあいだに空行を入れていない
- 本文が両端揃えになっている
- 句読点の種類がそろっている
- 英数字の全角・半角がそろっている
- かっこの使い分けがそろっている
- 見た目の調整のために、行の途中で改行や空白を入れていない
- 本文の書体と、見出しの書体がそれぞれそろっている