添削とコメントを生かす:指摘を受けて直す
先生や仲間から添削やコメントを受けたら、それをどう読み、どの順で直し、どれに応じてどれを見送るのかを考えます。コメントの読み方、直す順番、応じ方の記録、読み合いでコメントを書くときの心がけを紹介します。
レポートの演習では、下書きに先生や仲間からコメントをもらい、直してから出し直すことがよくあります。コメントは、自分では見えない所を教えてくれる、いちばんの手がかりです。ただし、指摘された所だけを言われたとおりに直すのでは、次のレポートに力が残りません。なぜそう指摘されたのかを考えながら直しましょう。
コメントを読む
全体を読んでから、直し始める
コメントを一つ読むたびに直すのではなく、まず全部に目を通します。いくつものコメントが、同じ一つの問題(たとえば、問いがはっきりしない)から生まれていることがよくあるからです。
種類に分ける
| 種類 | 例 | 直すときに見る記事 |
|---|---|---|
| 課題・問い | 課題に答えていない、問いがあいまい | 課題に答える、問いの立て方 |
| 構成 | 序論と結論が対応していない、段落の役割がわからない | 構成、アウトライン |
| 論証 | 根拠が足りない、飛躍がある、反論に触れていない | 論証、誤謬 |
| 引用 | 出典がない、直接引用が多い | 根拠と引用 |
| 表現・表記 | 話し言葉、長すぎる文、表記のゆれ | 文体と表記 |
| 体裁 | 字数、書式、ファイルの形式 | 文書の体裁 |
指摘の理由を考える
「ここは根拠が弱い」と言われたら、なぜ弱いのか、どんな根拠があれば強くなるのかを考えます。理由がわからないコメントは、そのままにせず、先生やコメントを書いた人に尋ねましょう。
直す順番
推敲と同じく、大きいところから小さいところへ直します(「推敲の確認リスト」)。
- 問いと結論の対応、全体の構成
- 段落の組み立てと順番
- 論証と根拠(文献に戻って調べ直すことも)
- 文と表現、表記
- 体裁
表現の指摘から直し始めると、あとで段落ごと書き直したときに、その手間がむだになります。
応じるか、見送るか
すべてのコメントに、言われたとおり応じなければならないわけではありません。
- 応じる:指摘がもっともなら、直す
- 別の形で応じる:指摘の理由はもっともだが、示された直し方とは別の方法で解決する
- 見送る:自分の意図や課題の条件から考えて、直さないほうがよいと判断する
見送るときは、その理由を説明できるようにしておきます。とくに先生の指摘を見送るときは、理由を添えて伝えるのが礼儀です。
応じ方を記録する
コメントが多いときは、簡単な表で、どう応じたかを記録しておくと、見落としがなくなります。
| コメント | どう応じたか |
|---|---|
| 序論の問いがあいまい | 問いを「〜か」で終わる一文に書き直した |
| 本論2の根拠が一つだけ | 文献を一本追加した |
| 結論で新しい論点を出している | 本論3に移した |
| 「なので」は話し言葉 | 全体で「そのため」に直した |
出し直すときに、この表を添えるよう求められることもあります。
Word のコメントで受け取ったとき
Word のコメントや変更履歴で添削を受けたときの扱いは「提出するファイルの形式」を見てください。直し終えたら、変更履歴と、対応し終えたコメントが残っていないかを確かめてから出し直します(コメントを残すかどうかは、指示に従います)。
同じ指摘を、くり返さない
コメントを受けて直したら、次のレポートで同じ指摘を受けないことを目指します。
- 何度も受けた指摘(「根拠が足りない」「一文が長い」など)を、自分用のメモに書き出しておく
- 次のレポートの推敲で、そのメモを確かめる
AI 添削の指摘も、同じように生かせます(「このサービスの AI 添削を生かす」)。
読み合いでコメントを書くとき
授業で、ほかの人のレポートを読んでコメントすることもあります。
- よい点も書く:何がよかったのかを伝えると、書き手はそれを次に生かせます
- 具体的に書く:「わかりにくい」ではなく、「この段落の最初の文から、何を主張したいのかが読み取れなかった」のように書く
- 主張と根拠に向けて書く:書き手の人柄ではなく、文章の中身についてコメントする(「日常と意味が違う言葉」)
- 直した文を書かない:直し方を考えるのは書き手です。どこが、なぜ問題かを伝えるにとどめます
- 大きな問題から伝える:誤字を一つずつ指摘する前に、問いと結論の対応や、論証の飛躍を伝える
人のレポートを読んでコメントを書くことは、自分の文章を見直す力も育てます。