AI を使った執筆の進め方
AI は、考えるのを代わりにしてもらう道具ではなく、自分の考えを確かめる相談相手として使うと力になります。ルールの確かめ方、使い方の基本、避けたい使い方と、AI を使う前に知っておきたいことの全体像です。
文章をつくる AI は、レポートや論文を書くときにも身近な道具になりました。上手に使えば、考えを深めたり、見落としに気づいたりする助けになります。一方で、使い方を誤ると、学びが残らないだけでなく、不正と判断されることもあります。
まず、ルールを確かめる
AI の使い方のルールは、大学・学部・授業によって違います。
- 大学や学部の方針(ウェブサイトや学生向けの案内)
- 授業のシラバスや、担当の先生の指示
- 卒業論文などでは、指導教員の考え
「使ってはいけない」とされている授業では使わない、「使った場合は明記する」とされているなら書き添える、といったルールに従ってください。はっきりしないときは、先生に尋ねるのがいちばん確かです。
考えるのは自分、AI は相談相手
レポートで評価されるのは、あなた自身が考えたことです。AI に本文を書かせて提出すれば、それはあなたの考えではありませんし、書く力も身につきません。
AI は、課題の読み解き、問いの絞り込み、構成の点検、反論の洗い出し、わかりにくい所の発見など、自分の考えを確かめる相談相手として使うと力を発揮します。どの使い方でも、AI の答えを受けて考え、書くのは自分です。段階ごとの頼み方の例は「AI への相談のしかた」にまとめてあります。
避けたい使い方
- 本文を丸ごと書かせる:自分で理解して書いたものではなく、ほかの人に書いてもらう代筆と同じく不正とされます
- 文献を探させて、そのまま使う:AI は、実在しない文献や、もっともらしい誤りをつくることがあります(文献は「文献の探し方」の方法で探しましょう)
- データや実験結果をつくらせる:捏造という研究不正にあたります
- 個人情報や、公開前のデータを入力する:入力した内容がどう扱われるかを確かめずに入れてはいけません(「AI に入れてはいけない情報」)
AI を使っても、使わなくても、不正は不正
AI に本文を書かせることが問題になるのは、自分で理解して書いたものではないからだけではありません。AI の出力には、既存の文章とほぼ同じ文(剽窃)、実在しない文献やデータ(捏造)、文献の内容を取り違えた要約(捏造・改竄)が、もっともらしい形で紛れ込むことがあるからです。
提出した文章に剽窃・捏造・改竄があれば、AI を使ったかどうかにかかわらず、学術的な評価には値せず、単位も認められません。 「AI がまちがえた」は理由にならず、責任を負うのは提出した本人です。くわしくは「レポートの不正」を読んでください。
AI を使う前に知っておきたいこと
| 知っておきたいこと | くわしく |
|---|---|
| 段階ごとの頼み方と、答えの受け止め方 | AI への相談のしかた |
| AI が示した事実・数字・文献の確かめ方 | AI の答えを確かめる手順 |
| AI を使ったことの書き添え方 | AI を使ったことの書き添え方 |
| 入力してはいけない情報 | AI に入れてはいけない情報 |
| このサービスの AI 添削の使い方 | このサービスの AI 添削を生かす |
とくに大切なのは、AI が示した事実や文献は、必ず元の資料で確かめること、レポートで出典として示すのは、AI ではなく、あなたが読んで確かめた元の資料であることです。
この記事の細目
- AI への相談のしかた:段階ごとの頼み方の例
AI は、代わりに書いてもらう道具ではなく、自分の考えを確かめる相談相手として使うと力になります。課題の読み解きから推敲まで、段階ごとの頼み方の例と、答えを受けたあとの考え方、避けたい頼み方を紹介します。
- AI の答えを確かめる手順:事実・数字・文献
AI の答えには、もっともらしい誤りや、実在しない文献が混ざることがあります。AI が示した事実・数字・文献・引用を、元の資料で確かめる手順と、とくに誤りが起きやすい所を紹介します。
- AI を使ったことの書き添え方
AI を使ってレポートを書いたときは、どの AI を、何のために、どう使ったのかを書き添えます。書き添える内容、書く場所、書き方の例、記録の残し方、出典として示すときの注意を紹介します。
- AI に入れてはいけない情報
AI に入力した内容は、サービスの側で保存されたり、学習に使われたりすることがあります。自分や他人の個人情報、研究の参加者のデータ、公開前の資料、ほかの人の文章など、入力する前に気をつけたい情報と、使う前に確かめる設定を紹介します。