AI の答えを確かめる手順:事実・数字・文献

AI の答えには、もっともらしい誤りや、実在しない文献が混ざることがあります。AI が示した事実・数字・文献・引用を、元の資料で確かめる手順と、とくに誤りが起きやすい所を紹介します。

AI に事実を尋ねると、正しそうな文で答えが返ってきます。しかし、その中には、まちがった事実や、実在しない文献が、正しいものと同じ調子で混ざることがあります。レポートに使う前に、必ず元の資料で確かめましょう。

確かめずに使って誤りがあれば、それは提出した本人の責任になります。文献に書かれていないことを書かれているように示せば、意図していなくても捏造や改竄にあたります(「レポートの不正」)。

とくに誤りが起きやすいもの

種類よくある誤り
文献実在しない論文や本、著者と題名の組み合わせの誤り、存在しない DOI
引用言っていない発言、原文と違う言い回し、実在する文献に書かれていない内容
数字統計の値、割合、年代、人数のまちがい。古い数字
人名・用語研究者の名前の取り違え、似た用語の混同
研究の結果結果の誇張、条件の抜け、相関を因果として述べる

文献を確かめる

AI が挙げた文献は、次の手順で確かめます。

  1. 実在するかを確かめる:題名を、CiNii Research、Google Scholar、図書館の蔵書検索などで探す(「文献の探し方」)
  2. 書誌情報を確かめる:著者、発行年、雑誌名、巻・号・ページが、AI の答えと合っているか。DOI があれば、その DOI で開いた論文の題名と著者が、AI の答えと合っているか(AI は、実在する別の論文の DOI を付けることがある)
  3. 中身を確かめる:実際に読んで、AI が述べた内容が本当に書かれているか
  4. 確かめられなければ使わない:見つからない文献や、中身を読めない文献は、レポートに使わない

いちばん大切なのは 3 です。文献が実在していても、AI が述べた内容がその文献に書かれているとは限りません。読まずに引用するのは、孫引きよりもさらに危うい使い方です。孫引きなら、元の文献を紹介した文献を自分で読んでいますが、AI の答えは、出典として示せる文献ですらないからです(「引用の書式」)。

事実と数字を確かめる

  • 元の資料を探す:統計なら公表した機関の資料、研究の結果なら元の論文(「一次資料と二次資料」)
  • 日付を確かめる:AI の知識は、ある時点までの情報にもとづいています。新しい数字に更新されていないかを見る
  • 二つ以上の資料で確かめる:大切な事実は、信頼できる別の資料でも確かめる

引用を確かめる

AI が「〜は『…』と述べている」と示した言葉は、そのまま使わずに、必ず原文で確かめます。原文が見つからない引用は、使いません。間接引用にするときも、元の文献で内容を確かめてから、自分の言葉でまとめます(「言い換え(パラフレーズ)」)。

出典は、AI ではなく元の資料

レポートで出典として示すのは、あなたが読んで確かめた元の資料です。「AI がそう言っていた」ことは、事実の根拠になりません。AI は、資料を探したり理解したりするのを助けるものであって、資料そのものではありません。

AI をどう使ったかは、出典とは別に書き添えます(「AI を使ったことの書き添え方」)。

確かめるときの確認リスト

  • AI が挙げた文献は、すべて検索で実在を確かめた
  • 使う文献は、自分で読んで、内容を確かめた
  • 数字や統計は、元の資料で確かめた
  • 引用の言葉は、原文と照らし合わせた
  • 確かめられなかったことは、レポートに書いていない
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