論述試験の答案の書き方:限られた時間で問いに答える

「〜について論じなさい」という論述試験の答案は、限られた時間と字数で、出題された問いに答える文章です。問題文の読み方、書く前の短い設計、答えを先に示す組み立て、時間の配り方、よくある失敗を紹介します。

期末試験などで出される論述問題の答案も、論証型のレポートと同じく、問いに答え、理由と根拠で支える文章です。違うのは、時間と字数が限られていることと、問いがすでに出題者によって立てられていることです。

レポートとの違い

レポート論述試験の答案
問い書き手が、主題から導いて立てる出題者が立てている
序論の役割主題から問いを導く問いを導く必要はない
答えを示す位置論じたあと、結論で(このガイドの基本の考え方)冒頭で示してから、理由を述べる形が書きやすい
根拠文献やデータを調べて示す授業で学んだ理論・研究・用語を使う
時間数日〜数週間数十分

レポートの序論で答えを先に書かないのは、なぜその問いが立つのかを読み手に示すことが序論の役割だからです(「序論の書き方」)。試験では、問いは出題者が立てています。そのため、答案の冒頭で問いへの答えを一文で示し、そのあとで理由と根拠を述べる形が書きやすく、採点者にも伝わりやすくなります。ただし、答案の書き方について先生から指示があれば、それに従ってください。

問題文を読む

レポートの課題文と同じく、問題文を「指示の束」として読みます(「課題に答える」)。

  • 何について:主題と範囲
  • 何をするのか:説明する、比較する、論じる、具体例を挙げる
  • 条件:字数、使う用語の指定、「授業で扱った研究を挙げて」など

問題文の動詞と条件に、線を引いてから書き始めましょう。聞かれていないことをくわしく書いても、点にはなりません。

書く前に、数分で設計する

いきなり書き始めると、途中で話がそれたり、時間が足りなくなったりします。問題用紙の余白に、短い設計を書きます(「アウトライン」)。

  1. 問いへの答えを一文で
  2. 理由を二つか三つ
  3. 理由ごとに、使う研究・理論・用語・例
  • 答え:忘却の主な原因は干渉である
  • 理由1:睡眠の実験(同じ時間でも、眠ったほうが忘れにくい)
  • 理由2:時間だけを取り出して示すのは難しい
  • 反論:睡眠中の定着 → 似た内容ほど忘れやすい結果で応じる

答案の組み立て

  1. 答え:問いに一文で答える(「忘却の主な原因は、減衰よりも干渉であると考えられる」)
  2. 理由と根拠:理由ごとに段落を分け、授業で学んだ研究や理論で支える
  3. 反論への応答(時間と字数に余裕があれば):反対の立場を一つ取り上げて応じる
  4. まとめ:答えをもう一度、短く述べる

段落の最初に、その段落で言いたいことを書くと、採点者が読みやすくなります(「パラグラフ・ライティング」)。

時間の配り方

試験時間が60分で、論述問題が一つなら、たとえば次のように配ります。

すること時間の目安
問題文を読み、設計する5〜10分
書く40〜45分
見直す5〜10分

問題が複数あるときは、配点に合わせて時間を配ります。一つの問題に時間をかけすぎて、ほかの問題が白紙になるのがいちばんの損です。

よくある失敗

失敗直し方
覚えている知識を、全部書き出す問いに答えるのに必要なことだけを選ぶ
用語を並べるだけで、説明がない用語を使ったら、それが何で、なぜ答えを支えるのかを書く
「〜と思う」で終わる学んだ研究や理論を根拠に、「〜と考えられる」と書く
最後まで答えがはっきりしない冒頭で答えを示し、最後にもう一度まとめる
字が読めない、消し跡で読みにくい読める字で書く。大きく直すときは、線を引いて消す

持ち込みが許された試験

教科書やノートの持ち込みが許された試験でも、写すのではなく、自分の言葉で書くことが求められます。教科書の文をそのまま写した答案は、理解を示したことになりません。持ち込んだ資料は、用語や研究の名前を確かめるために使いましょう(「言い換え(パラフレーズ)」)。

ふだんの授業で、リアクションペーパーなどに自分の考えを短く書く練習をしておくと、論述試験でも書きやすくなります(「授業の感想を書く課題」)。

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