図と表の作り方:データを一目で伝える

図と表は、本文で言葉にしきれないデータを、読み手に一目で伝えるためのものです。図と表の使い分け、番号と題の付け方、軸・単位・誤差の示し方、避けたい飾り、本文での触れ方、ほかの資料の図表を使うときの注意を紹介します。

図と表は、データを読み手に伝えるための道具です。うまく作られた図表は、本文を何段落読むよりも早く、結果の要点を伝えます。反対に、何を見ればよいのかわからない図表は、読み手を迷わせます。

図と表の使い分け

使うもの向いていること例
表正確な数値を示す、多くの値を一覧にする条件ごとの平均・標準偏差・人数
図変化の傾向、条件どうしの違い、関係の形を見せる時間の経過による再生数の変化、二つの変数の散布図

同じデータを、表と図の両方で示す必要はありません。何を伝えたいかで、どちらか一つを選びます。

グラフの種類

  • 棒グラフ:条件ごとの平均を比べる
  • 折れ線グラフ:時間や順序にそった変化を見せる
  • 散布図:二つの変数の関係を見せる
  • 箱ひげ図など:データのばらつきや分布を見せる

一つの図で伝えることは、一つに絞ります。

番号と題を付ける

  • 図と表には、それぞれ通し番号を付ける(図1、図2…、表1、表2…。英語の書式では Figure 1、Table 1)
  • 番号のあとに、何を示した図表かがわかる題を付ける(「図1 条件ごとの平均再生数」)
  • 番号は、本文で出てくる順に付ける

番号と題を置く位置は、書式によって違います。表は上に置くのが一般的ですが、図は上に置く書式と下に置く書式があります。指定の書式に合わせてください。

図を作るときに気をつけること

  • 軸に名前と単位を付ける:「再生数(語)」「経過時間(時間)」
  • 縦軸の始まりに注意する:棒グラフの縦軸を 0 以外から始めると、差が実際より大きく見えます
  • 誤差を示す:平均の棒には、標準偏差や標準誤差などを示す線(エラーバー)を付け、その線が何を表すかを題か注に書く
  • 凡例を付ける:条件が複数あるときは、どの線や棒がどの条件かを示す
  • 色だけに頼らない:白黒で印刷しても、模様や線の形で区別できるようにする

避けたい飾り

  • 立体(3D)のグラフ:値が読み取りにくくなります
  • 必要のない背景の色や影、目盛りの線の多さ
  • 一つの図に、条件や変数を詰め込みすぎること

飾りを減らすほど、データそのものが目に入りやすくなります。

表を作るときに気をつけること

  • 列と行の見出しに、何の値か(と単位)を書く
  • 小数点以下の桁数を、同じ種類の値でそろえる
  • 罫線は、横の線を最小限にし、縦の線は使わない書式が多い(指定に従う)
  • 略語や記号を使ったら、表の下の注で説明する

本文で触れる

図表を載せたら、本文で必ず触れ、何を見てほしいのかを書きます。

図1に示すように、睡眠条件では、覚醒条件よりも再生数が多かった。

図表は、本文を読まなくても理解できるように作ります。それでも、図表のどこを見てほしいかは本文で示します。本文で触れない図表は載せません。結果の節での触れ方は「結果の書き方」も見てください。

ほかの資料の図表を使うとき

教科書や論文、ウェブの図表を、そのまま自分のレポートに載せることは、原則としてしません。図表をそのまま載せるのは文章の引用ではなく転載にあたり、学術の慣行では、著作権を持つ人(著者や出版社)の許諾を得て「〜より許諾を得て転載」と示すのが決まりだからです。許諾を得ずに載せれば、出典を書いても無断転載です(「引用の作法と著作権」)。

  • 図表が示している結果は、本文で、言葉と数値で説明し、出典を示す
  • 論文に書かれた数値を使って自分で新しく図表を作るときは、題か注に「高橋(2019)の数値をもとに作成」のように示す。元の図表の形をなぞって写すのは、転載と変わらない
  • 元の図表を、出典を示さずに自分で作ったかのように載せるのは、剽窃にもあたります

(ここに挙げた文献は、説明のための架空のものです。)

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