レポート・論文・エッセイの違い:課題のタイプを見分ける
「レポート」「論文」「エッセイ」は、目的も組み立ても違います。課題がどの種類かを見分ける手がかりと、種類ごとに求められること、エディタの文書の種類との対応です。
同じ「書いて出す課題」でも、レポート、論文、エッセイでは求められるものが違います。種類を取り違えると、内容がよくても評価が伸びません。書き始める前に、出された課題がどれにあたるかを確かめましょう。
種類ごとの違い
| 種類 | 目的 | 新しい発見は要るか | よく使う組み立て |
|---|---|---|---|
| 説明型のレポート | 学んだ内容や調べた事実を、正確に整理して伝える | 要らない | 序論・本論・結論 |
| 論証型のレポート | 問いを立て、自分の主張を根拠とともに示す | 主張は自分のもの | 序論・本論・結論 |
| エッセイ(論考) | 一つの問いについて、「私」の視点から見えることを、筋道立てて示す | 視点の独自性が問われる | 序論・本論・結論 |
| 実験・調査レポート | 行った実験や調査の手順と結果を報告し、考察する | 結果は自分で得たもの | IMRaD(序論・方法・結果・考察) |
| 研究論文(卒業論文など) | まだわかっていないことを明らかにし、分野に新しい知見を加える | 要る | IMRaD、または章立て |
おおまかに言えば、下の段ほど自分で生み出すものの割合が増えます。説明型のレポートでは正確さが、論証型のレポートやエッセイでは主張の筋道が、研究論文では新しさが問われます。
「エッセイ」と「私」
日本語の「エッセイ」は、ふつうは随筆(体験や思いを自由につづった文章)を指します。大学の授業で「エッセイ」と言うときは、それとは少し違い、一つの問いについて、「私」の視点から見えることを、筋道立てて示す文章を指すことが多くあります。
エッセイでは、論文とは違って、書き手ならではの見方が大切にされます。ただし、体験や思いを自由に書けばよいわけではありません。その見方から何が言えるのかを、読み手がたどれる筋道で示すことが求められます。
論文では反対に、私的な視点を省き、「私」がいなくても成り立つ議論を組み立てます。文章の種類による「私」の位置づけの違いは「「私」の視点と、私がいなくても成り立つ議論」でくわしく紹介しています。課題が「私」の視点から書くエッセイを求めているのか、私がいなくても成り立つ議論を求めているのかは、課題文やシラバスの説明で確かめてください。
課題文から種類を見分ける
課題文の言葉が、種類を見分ける手がかりになります。
- 「まとめなさい」「説明しなさい」「整理しなさい」→ 説明型のレポート
- 「論じなさい」「あなたの考えを述べなさい」「是非を検討しなさい」→ 論証型のレポート、エッセイ
- 「実験の結果を報告しなさい」「考察しなさい」→ 実験・調査レポート
- 「研究テーマを設定し」「先行研究をふまえて」→ 研究論文に近いもの
課題文の動詞の読み方は「課題に答える」でもくわしく紹介しています。それでも判断がつかないときは、担当の先生に「説明が中心ですか、自分の主張が中心ですか」と尋ねてみましょう。
種類ごとに気をつけること
説明型のレポート
書き方は「説明型レポートの書き方」にまとめてあります。自分の意見は控えめにし、事実や考え方を正確に伝えることに力を注ぎます。それでも、「何を、どの順で説明するか」という組み立ての筋は必要です。資料の内容をそのまま並べるのではなく、自分の言葉で整理しましょう。指定された文献をまとめる課題は「文献を読んで書くレポート」を、ゼミの発表資料は「ゼミ発表のレジュメ」を、授業ごとの短い感想の課題は「授業の感想を書く課題」を見てください。
論証型のレポート・エッセイ
エッセイでは、「私」の視点から見えることを中心に据えてかまいません。論証型のレポートでは、主張を根拠で支え、私がいなくても成り立つ形に近づけます。
序論で主題から問いを導き、本論で理由と根拠を積み上げて、結論で答えを示します。課題を受け取ってから出すまでの流れは「論証型レポートの書き方」にまとめてあります。反対の立場にも触れると、主張に説得力が出ます。くわしくは「論証」を読んでください。
実験・調査レポート
決まった型(IMRaD)で書くのが基本です。とくに、結果(何が起きたか)と考察(それが何を意味するか)を分けて書くことが大切です。くわしくは「実験レポートの書き方」と「IMRaD」を読んでください。
研究論文
先行研究をふまえて、まだわかっていないことは何か、自分の研究がそれにどう答えるかを示します。分量も多く、準備にも時間がかかるため、指導の先生と相談しながら進めましょう(「卒業論文の進め方」)。
エディタの「文書の種類」との対応
エディタでは、文書の設定で「文書の種類」を選べます。選んだ種類は、AI 添削と簡易評価のときに、文章の種類として AI に伝わります。
| 課題の種類 | 選ぶとよい文書の種類 |
|---|---|
| 説明型のレポート | 調査レポート |
| 論証型のレポート | 論考・エッセイ |
| エッセイ(論考) | 論考・エッセイ |
| 実験レポート | 実験レポート |
| 調査レポート(「調査レポートの書き方」) | 調査レポート |
| 研究論文・卒業論文 | 研究論文 |
| 事例の分析(「ケーススタディの書き方」) | ケーススタディ |
| 数学の証明の課題(「数学的証明の書き方」) | 数学的証明 |
どれにもあたらない文章は「一般文書」を選んでください。