論証型レポートの書き方:課題から提出までの通し
「〜について論じなさい」という論証型のレポートを、課題を受け取ってから提出するまで、ひと通りたどります。各段階ですることと、2,000字のレポートの組み立ての例、くわしい記事への案内をまとめました。
授業でいちばんよく出されるのが、「〜について論じなさい」という論証型のレポートです。問いを立て、自分の答えを、理由と根拠で支えて示す文章です(「レポート・論文・エッセイの違い」)。
ここでは、課題を受け取ってから提出するまでを、ひと通りたどります。各段階のくわしいことは、案内した記事を読んでください。
全体の流れ
| 段階 | すること | くわしく |
|---|---|---|
| 1. 課題を読む | 指示と条件を書き出す | 課題に答える |
| 2. 問いを立てる | 一文の問いにし、小さな問いに分ける。答えられるかを確かめる | 問いの立て方 |
| 3. 文献を集めて読む | 根拠になる資料を探し、出典とともにメモする | 文献の探し方 |
| 4. 設計する | 問い→仮の答え→小さな問い→根拠の骨組みを作る | アウトライン |
| 5. 序論の下書き | 主題から問いを導き、道筋を示す(答えは書かない) | 序論の書き方 |
| 6. 本論を書く | 一段落に一つの主張。理由と根拠で支え、反論に応じる | パラグラフ・ライティング、論証 |
| 7. 結論を書く | 問いに答え、理由をまとめ、限界を示す | 結論の書き方 |
| 8. 序論を見直す | 結論と並べて、問いと答えが対になるように整える | 序論の書き方 |
| 9. 推敲する | 全体から細部へ。引用と表記を確かめる | 推敲の確認リスト |
| 10. 体裁を整えて出す | 指定の書式とファイルの形式で提出する | 文書の体裁、提出するファイルの形式 |
日程の立て方は「提出までの段取り」を、完成したレポートの見本は「見本のレポート」を見てください。
2,000字のレポートの組み立ての例
課題:「忘却の原因について、減衰説と干渉説を比較し、実験的証拠を挙げて2,000字程度で論じなさい。」
| 部分 | 字数の目安 | 書くこと |
|---|---|---|
| 序論 | 300字 | 主題(忘却)→ 背景(二つの説明)→ 問題(どちらに求めるかで記憶のとらえ方が変わる)→ 問い(主な原因は減衰か干渉か)→ 道筋 |
| 本論1 | 500字 | 経過時間が同じでも、その間の活動で忘れ方が変わることを、睡眠の実験で示す |
| 本論2 | 500字 | 時間の経過だけで記憶が弱まることを示すのは難しい、という点を文献で示す |
| 本論3 | 500字 | 睡眠の効果を別の仕組み(睡眠中の定着)で説明する見方を取り上げ、それに応じる(反論と再反論) |
| 結論 | 200字 | 干渉のほうが忘却をよく説明する、と答える。扱った研究の範囲という限界を示す |
これは「アウトライン」の設計図と同じ組み立てです。本論の三つの部分は、それぞれ、レポートの問いに答えるための小さな問いに答えています。書き上げたら、本論の各段落の最初の文(中心文)だけを順に読んで、問いから答えまでの筋が通るかを確かめましょう。
論証型レポートで、とくに気をつけること
- 序論で答えを書かない:序論は問いを立てるところです。答えは、論じたあとに結論で示します
- 調べたことを並べない:資料の紹介は、自分の主張を支える根拠として使います
- 反対の立場にも触れる:反論を取り上げて応じると、主張の範囲がはっきりします(「反論と再反論」)
- 言い切りの強さを根拠に合わせる:「証明された」「明らかである」は言いすぎになりやすい(「日常と意味が違う言葉」)
- 結論で問いに答える:「今後も考えていきたい」で終わらない