よくある質問:レポートで迷いやすいこと

「私」と書いてよいか、引用はどのくらいまでか、字数が足りないときはどうするか、ウィキペディアは使えるか、文献は何本必要か、など、レポートを書くときによく出る質問に短く答え、くわしい記事へ案内します。

レポートを書くときによく出る質問に、短く答えます。くわしくは、それぞれの記事を読んでください。どの質問も、授業の指定があれば、それがいちばん優先です。

書き方について

「私」と書いてもよいですか

論文型のレポートでは、「私」も「筆者」も、主語として使わないのが原則です。主張が「私」がいなくても成り立つ形で示されていれば、「本レポートでは〜を検討する」「以上から、〜と考えられる」のように、書き手を主語にせずに書けます。他人の主張には著者名と出典を付けるので、主語のない主張は、書き手の主張として読まれます。

エッセイや批評のように「私」の視点が求められる文章や、書き手自身の行為を書くときは、「私」や「筆者」を使います。分野によっては、論文でも「筆者は」「私は」を使う慣習があります。授業や分野の指定があれば、それに従ってください(「文体と表記」「「私」の視点と、私がいなくても成り立つ議論」)。

序論で結論を先に書くように言われました

その授業の指定に従ってください。このガイドでは、序論は問いを立てる場所で、答えは論じたあとに結論で示す、という考え方を基本にしています。一方で、序論で結論の見通しを示すよう求める授業や分野もあります。どちらの場合も、序論で問いがはっきりしていて、結論がその問いに答えていることが大切です(「序論の書き方」)。

です・ます調で書いてもよいですか

レポートや論文は、ふつう「である調」で書きます。授業で「です・ます調」を指定されたときは、それに従い、一つの文書の中で混ぜないようにします(「文体と表記」)。

2,000字くらいのレポートでも、見出しを付けたほうがよいですか

付けてもかまいません。「はじめに」「〜の検討」「おわりに」のような見出しがあると、構成がわかりやすくなります。見出しを付けるかどうかを指定する授業もあるので、確かめてください(「構成」「日本語の組版」)。

感想を書いてはいけないのですか

いけないわけではありませんが、レポートの中心は、問いへの答えと、それを支える根拠です。感想を書くとしても、問いへの答えを示したあとに、ごく短く添える程度にします(「結論の書き方」)。授業ごとの短い感想の課題は「授業の感想を書く課題」を見てください。

引用と文献について

引用は、どのくらいまでしてよいですか

決まった割合はありませんが、自分の文章が中心で、引用はそれを支えるもの、という関係を守ります。引用ばかりで自分の論述が少ないレポートは、評価されません。日本の著作権法では、公表された著作物を「引用」として使えるのは、公正な慣行に合い、引用の目的の上で正当な範囲内で使う場合とされています(第32条)。判例では、自分の文章が主で引用が従であること、引用の部分がはっきり区別されていることが求められ、出所の明示は第48条で義務づけられています。著作権の決まりと学術の作法の違いは「引用の作法と著作権」で紹介しています。

直接引用は、原文の言い回しが必要なときだけにし、多くは自分の言葉でまとめる間接引用にします(「根拠と引用」)。

ウィキペディアは使ってもよいですか

調べ始めの入り口としては便利ですが、書いた人や確かさが記事ごとに違うため、レポートの出典にはしません。記事の中で示されている元の資料をたどり、それを読んで引用します(「一次資料と二次資料」)。

文献は何本くらい必要ですか

決まった数はありません。指定がなければ、主張を支えるのに必要なだけです。おおよその目安としては、2,000字ほどの授業のレポートなら数本、卒業論文なら数十本になることが多いでしょう。ただし、一本の文献だけに頼ったレポートは、根拠が偏りがちです。大切な主張は、複数の文献で確かめましょう(「文献の探し方」)。

授業の内容や配布資料は、引用してよいですか

授業で学んだことを使うのはかまいませんが、授業の内容をそのまま写すのではなく、教科書や文献で確かめて、その資料を出典にするのが基本です。授業の配布資料を出典にしてよいか、どう書くかは、先生に確かめてください。

字数と締切について

字数が足りません

字数を埋めるために、同じことをくり返したり、長い引用を入れたりしてはいけません。足りないときは、中身を深めます。

  • 主張を支える理由や根拠を、もう一つ足す
  • 反論を取り上げて、それに応じる(「反論と再反論」)
  • 具体例を加える
  • 問いに答えるための小さな問いを、もう一つ立てる(「問いの立て方」)

字数を超えてしまいました

問いに答えるのに必要でない部分から削ります。面白くても問いと関係の薄い話、同じことのくり返し、長すぎる背景の説明が、削る候補です(「アウトライン」)。

締切に間に合いそうにありません

問いを狭める、直す範囲を絞る、締切の前に先生に相談する、の順で考えます(「提出までの段取り」)。

AI と相談について

AI を使ってもよいですか

授業や大学のルールによります。使ってよい場合も、本文を書かせるのではなく、考えを確かめる相談相手として使います。AI を使ったかどうかにかかわらず、剽窃・捏造・改竄があれば、そのレポートは評価されません(「AI を使った執筆の進め方」「レポートの不正」)。

友達と相談してもよいですか

内容について話し合うことは、多くの授業で認められています。ただし、文章は一人一人が自分で書きます。ほかの人のレポートを写したり、分担して書いたものを一人のものとして出したりするのは不正です。どこまで相談してよいかは、授業によって違うので確かめてください(「レポートの不正」)。

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